OgraNegra III

18th October 2024 @ Greens Moon　(-> 加筆 20th Oct. 2024)

そもそも、OgraNegraの「Negra」は「黒」を意味していますが、「夜」を意識しています。
夜だったら静かな曲か？というとそうではなく、夜だからこそ目が覚めるような音とかもありえます。
ただ、汗をかくノリのものは少ないかもしれないし、実際マイナーコードの曲が多かったり、ノリのビートがちょっと違ったりという感じがあります。

OgraNegraは、実はこれまでに２回やっているので、今回 “3” だったりします。

ピコピコ、音数が多いながら、流れるような楽曲を’85年あたり中心に今回は選びました。

最初の Air と最後の 11:11がなく、それと EGO DANCE はライブもので別の曲と１つになったVになってますが、およそ一通りのYouTubeプレイリストです。

OgraNegra3 Play List

Air / Language (2011) SHIMETAKE主催のDOATAMIに参加された、キーボードの本澤さん、ギターの掛川さん、ボーカルのカオリさんの３人のユニット。流れるようなサウンドに、時として殴り込むようなことがありながら美しいボーカルで、ふとノスタルジックを感じさせたり、エモく感じさせたりする音が挟まれるとてもユニークなバンド。このAirは２枚目のアルバムだけれど、初めて聞いたときに頭を殴られるような衝撃を感じた１曲です。Language Official Web	Soundcloud でちょっと聴けます
I’ll remember / Madonna (1994) ヘッドホンで聴くと、耳がかゆくなる人もいる感じの始まりの、マドンナにしては珍しい音使いの楽曲。ピコピコしたサウンドで流れる感じを出した、マドンナのバラードの中ではアコースティックさのない珍しい楽曲。	Official V
Small Talk /Scritti Politti (1985) ドイツテクノと違って、イギリスのピコピコ代表としてScritti Polittiを。Scritti Polittiは Perfect Wayという曲がとても有名なのだが、王道過ぎるので、ピコピコ感が強い、このSmall Talkを。
Another Day / Strawberry Switchblade (1985) イギリスでもスコットランド出身の女性デュオ。オープニングがカッコイイと思うので。彼女らのこの曲と Scince Yesterday という曲の２曲は日本のTVCMにも起用された。
Wake Up / PSY’s (1985) TMネットワークというか小室哲哉が台頭してくるまで？一世を風靡したPSY’S（サイズ）。このWake Upが収録されたシングル「Brand-New Menu」がCMに使われ、ヒットする。当時、フェアライトという楽器は坂本龍一とこのPSY’Sの松浦しか持っていないと言われ、ボーカルのCHAKAは歌を歌うだけで演奏は一切せず、全て松浦1人で演奏している。PSY’Sが売れ始めてからは、助っ人を入れて収録するようになったが、全体的に電子音楽曲で仕上がっている。彼らのライブは「昆虫採集」という名前で開催され、本当に多くのゲストが参加する方式を取り、ライブの在り方も周りに影響を与えた１エポックを作ったバンド。
BOAT / Grass Valley (1988) 知る人ぞ知る Grass Valley（グラスバレー）。１枚目、２枚目のアルバムもとても特徴のあるアルバムを発表しており、それまでの”ロックとしてかっこいい”というものから、ちょっと変わった品を見せるスタイリッシュなサウンドを聞かせるバンドで、一部で絶大な人気があったが、一部で終わった。ボーカルの出口の顔に張り付くような歌声が好き嫌いを分けた感じもある。解散前に１曲CMで使われたが、それで終わった。キーボーディストがリーダーで中心のバンドなのに、ギターのリフを意識したギターの音を聞かせる妙なバンドだった。その中でも、明るいけど、とんちきなサウンドのものを。
黄土高原 / 坂本龍一 (1986) YMO散開後の坂本龍一２枚目のアルバム「未来派野郎」の２曲目。坂本龍一の鼻っ柱の強い感じのチャラチャラした様子が伺える一曲。ピコピコサウンドっていうのは、ちゃんとどういう曲を作るか意識して、そして曲として構成させることで、こういう風に作るもんなんだよっ！って言っている感じ。しかし、その通りにできている綺麗な楽曲。
Here is the House / Depeche Mode (1986) DMはROCKの殿堂入りも果たしたイギリスのテクノバンドとして一流だと思うけれど、この曲よりこっち、という曲はいくつもある。しかし、曲の雰囲気とDM特有の歌詞の韻の踏み方や今回のOgraNegraの選曲基準からDMは外せないと考えた中、選ばれた１曲。
Rydeen 79/07 / HASYMO (2007) 細野晴臣、高橋幸宏、坂本龍一のユニットYMOが83年に散開したのち、いくつかの時を経て、仲良く３人で楽曲をつくるようになったとき、HAS（Human Audio Sponge）と名乗ったが、YMOという名前をどうする？という感じで、なんとなくHASYMO（ハシモ）となった最初のシングルのB面に収録されたRydeenのリアレンジ。いろんな人がRydeenをカバー、コピーするが、幸宏のドラム、坂本のキーボードの弾き方の癖はなかなかコピーできず、この79/07の作品は改めてYMOのサウンドとして、よみがえっている。この曲Rydeenというのは、漢字で雷電と書かれるが、七人の侍などの馬が出る時代劇がヒントになっている。なので、あの弾むようなキーボードサウンドは、馬が走る蹄の音をイメージしている。この79/07は、Negraにふさわしい夜の楽曲になっている。	Rydeen 79/07 Live ▲秀逸
光の子 / PINK (1986) 怪しい言語を操る福岡と、当時久々にベーシストが注目を浴びる結果となったPINK。岡野ハジメというベーシストのベースが光る。PINKは楽曲がかっこいいのかどうなのかよくわからない不思議なテンポをもっていて、知る人ぞ知るバンドとなったが、TVCMで使われたこともあった。この光の子はオープニングが狙い通りになっていて、大きな光の点滅を音にした後、ベースのチョッパーで歯切れよく始まる。当時はとても斬新だった。
PSYCHERIC HIP / 吉川晃司 (1986) 新しいアイドルとしてデビューさせられた吉川晃司。彼がアイドルとしてアルバムを作らされるにあたり、初めて（？だと思う）自分で作詞・作曲した曲。このアルバムは吉川晃司の４枚目のアルバムだが、このアルバムそして、この曲で、吉川晃司は布袋寅泰をギターに迎えて演奏してもらっている。ベースは後藤次利。後藤次利は小原礼が抜けた後のサディスティックミカバンド（サディスティックス）のベーシスト。この曲はノリきれないが、ビートを刻み、ボーカリストとしての吉川晃司の能力が発揮されているとてもかっこいい曲になっていると思う。この後、COMPLEXが誕生し、後藤次利はおにゃんこ連中の楽曲を提供、プロデュースして、おにゃんこを世にはびこらせることになる。	Live 1986
I LOVE ROCK’N ROLL / 松岡英明 (1989) 松岡英明。どうなんですかねぇ？彼は。正直、いいとはなかなかいいにくいんだけれど、音作りというか、録音収録方法にとてもこだわった感じがあって、アレンジと共に、おもしろさはあるのは確かだと思う。この曲は有名なJoan Jett & the Blackheartsの曲のカバーだけれども、本当に多くの人にカバーされている曲の中で、こういう風にキーボードサウンドとしてよくアレンジして自分のものにしたなぁと感心している曲。決して英語は上手ではないけれど、彼の世界観でうまく昇華できていると思う。割と好きな曲。I love rock’n roll, So put another dime in the jukebox, baby! So come and take your time and dance with me.
EGO DANCE / SOFT BALLET (1991) Soft Balletも知る人ぞ知るバンド。彼らはあまりにも早くにノイジーなインダストリアルテクノをやったことでどうしても人気につながらなかったが、一部から熱狂的なファンが集った。彼らの時折見せる、「なんだこれ？」っていうようなとてつもなく軽い明るい曲が人らしさを感じさせ、テクノが「人の持つ感覚」から生まれていることを教えてくれる第二のYMO的エポックを作った玄人系バンド。彼らが少しウケを狙って作った曲が何曲かあるが、その中の１つ。４枚目のアルバム「愛と平和」に収録されているが、これはシングルバージョン。始まりが大きく違う。	PlayListで、Ego Dance は、 4:12 あたりからです。
11:11 / Anonymouz (2023) １曲は最近の曲で私が気に入っているものをと思って。Anonymouzは最近ちょっと売れ線の曲を作りすぎて、面白くないところもあるけれど、Ladderという曲を聴いて、驚いて追っかけている最近のアーティストの1人。この曲は３分に満たない短い曲になっていてサビの盛り上げ方が日本ぽいが、曲の作り、流れがマイケルジャクソンに似ているなぁと思う。今の日本のテクノのノリを持ちつつ、過去の構成を持った不思議な曲だなと、面白がって聴いている。	Check “Anonymouz” at YT Ladder

やってみてよかったです。
やる前、どのみち決められた時間、勝手にやるわけなんでハズしても自分がノって楽しんじゃえって思ってたんですが、いやいや、聴いてくれる人がいるってとっても楽しかったです。

なんといいますか、かなり前に三谷幸喜が初めて映画を作るときに、「それまで舞台しか脚本を書いてなかったことで、舞台の『生もの』に自分が頼っていたことを始めて意識した」というようなことを言ってたんですが、それですね、基本、「予定調和」を提供するわけです。途中で予定を変更できる技術があればできるんでしょうけれども、そんなものは持ち備えてないので。

最初に、Airをかけることは、話をもらったとき、躊躇なくいきなり決定でした。
私は、この Air という曲の最初、カオリさんのボーカルが殴り込むように入ってくるところがとってもカッコいいと思っているんです。なので、それまで流れていた曲があっても、なくていきなり始めるにしても、「なんだ！？」って感じになるかなぁ～と想像していました。

その次にかける曲は結局 Madonna にしましたが、最初考えていたのは実は Frankie Knucles でした。Languageの持つ繊細さと、Frankie Knucles のシャープさが曲のつながりとして合うかな？と思ったからなんですが、それをやめたことで、１時間の構成の仕方が見えてきた感じがした結果、今回の選曲になりました。

どの時間を受け持つのか全くわからなかったですし、実際私の好みを喜んでもらえるものとはあまり思ってない中、Shimetake君から OgraNegra音源でOgraNegra選曲してくれというリクエストで、言われたときは面白がったんですが、選んでいくうちに怖くなって、最初はなんかウケ？というか多少はノれる曲も考えないと…なんて思っていたので、Quicy Jones とか Stranglers とか古めの洋楽も選んでいました。それをスパっとやめて、自分がかけて楽しめそうな曲を「ピコピコ」とか「音数が多い」というような基準で選ぶことにした結果です。

Shimetakeくんから、座って聴く感じにもしたいと思ってるって聞いてもいたので、Wake UpからRydeenまで日本の楽曲やおとなし目を入れて、緩い時間を作る方向などもできてなんとなくよかったんじゃないかと思っています。

よく、１時間で収まるように選曲できたものだと感心してます。（最初ずばばばばっと選びだした曲は５時間を超えてました。(笑) ）

今後、ウケるかどうかはわからないですが、OgraNegra、やっぱりテキトウにやっていこうかなぁ～と思いました。やる形は今回のような形ではなく、１，２のときのようにやる方向かなと思いますが、やるときはアナウンスしてボチボチできたらなぁ～と思います。

Shimetakeくん、声をかけてくれてありがとう。